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相続登記が未了でも相続税の申告は必要|先代名義不動産の基本ルールを実例で解説
目次
- 事例:祖父名義の不動産が残ったまま父が他界したケース
- パターン① 遺産分割協議を行わず、法定相続分で申告する場合
- パターン② 祖父の相続が未了だったものを、あらためて整理する場合
- 今から確認すべきポイント
- まとめ
- ■申告が必要か迷ったら、まずは専門家へご相談を
祖父など先代名義の不動産があっても、相続が発生していれば原則として相続税申告の対象となります。
相続登記がされていない、過去の相続で遺産分割協議が行われていない、という事情があっても、申告義務はなくなりません。
相続が二世代、三世代にまたがり、申告方法で悩まれるケースは非常に多く見受けられます。
事例:祖父名義の不動産が残ったまま父が他界したケース
父が他界し、相続人は母と子供2人です。
父の相続財産を確認したところ、祖父名義のままの不動産(土地・建物)が残っていました。
祖父はすでに他界、祖母も他界しています。
祖父の相続人は以下の3人です。
• 父(今回他界)
• 姉(すでに他界、子供が2人)
• 弟
祖父が亡くなった際、遺産分割協議書は作成されていませんでした。
この状態で、父の相続税申告をどう行うかが問題となります。
パターン① 遺産分割協議を行わず、法定相続分で申告する場合
まず、祖父名義の不動産が
空き家になっており
、関係者間で話し合いがまとまらないケースです。
この場合、祖父の相続は未分割のままとなっているため、
法定相続分で計算します。
祖父の相続人は3人なので、法定相続分は以下のとおりです。
• 父:3分の1
• 姉:3分の1(※すでに他界しているため、その子2人が各6分の1ずつ代襲相続)
• 弟:3分の1
したがって、父が相続していたとみなされる不動産の持分は「3分の1」です。
この3分の1相当額を、父の相続財産として相続税申告に計上します。
この方法の注意点
この申告方法では、以下のような
特例が使えません。
• 配偶者の税額軽減
• 小規模宅地等の特例
これらは「遺産分割が確定していること」が要件となるため、未分割のままでは適用できません。
後日分割した場合の手続き
その後、祖父の相続について遺産分割が成立した場合には、
• 税金が増える場合 →
修正申告
• 税金が減る場合 →
更正の請求
といった手続きが必要になります。
結果として、相続税申告を二度行うことになり、負担が大きくなります。
国税庁「相続財産が分割されていないときの申告」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4208.htm?utm_source=chatgpt.com https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4208_qa.htm?utm_source=chatgpt.com
パターン② 祖父の相続が未了だったものを、あらためて整理する場合
次に、祖父名義の不動産に
父一家が居住していたケース
です。
実態としては父が不動産を管理・使用しており、今後も父の財産として整理したいという状況です。
この場合、祖父の相続人(弟や、姉の子供2人)全員で話し合い、
「不動産は父が100%相続する」
という内容の遺産分割協議書を作成します。
これは、祖父の相続が未了だった状態を、今回あらためて確定させる手続きといえます。
相続登記がまだであっても、遺産分割協議書が有効に作成されていれば、
不動産全体を父の相続財産として相続税申告に計上することが可能です。
この方法をとることで、
• 将来の権利関係が明確になる
• 次の相続で揉めにくくなる
• 特例の適用を検討できる
といったメリットがあります。
相続税の申告期限までに遺産分割協議が整った場合は、この方法で申告します。
一方、相続税の申告期限までに遺産分割協議が整わなかった場合は、一度パターン①で相続税申告(「申告期限後3年以内の分割見込書」も提出)をし、その後、修正申告もしくは更正の請求をする必要があります。
今から確認すべきポイント
先代名義の不動産は、放置するほど相続人が増え、解決が困難になります。相続対策を考え始めた方は、
• 名義が誰のままになっているか
• 過去の相続で遺産分割が行われているか
• 実際に誰が使っている不動産か
を早めに整理しておくことが重要です。
まとめ
先代名義の不動産がある場合、
相続登記が未了でも課税対象となる場合は相続税申告は必須です。
• 法定相続分で申告するのか
• 遺産分割協議を行い整理するのか
によって、税額や手続きの負担は大きく変わります。
相続税申告を検討されている方は、早めに専門家へ相談し、最適な方法を選択することをおすすめします。
■申告が必要か迷ったら、まずは専門家へご相談を
相続税申告は専門的な知識や判断が求められる場面も多く、ご不安を感じる方もいらっしゃるかと思います。
当事務所では、お一人おひとりの状況に寄り添い、丁寧にサポートいたします。
相続税の申告が必要かどうか迷われた際も、どうぞお気軽に
ご相談ください。
この記事を監修した人
税理士法人向田会計 代表社員 向田靖
向田会計は群馬県桐生市を拠点として、相続・贈与申告で年間50件以上の実績を持っています。満足のいく相続解決に向けて、常にお客様の立場に立った視点でサポートしております。
創業(1970年)からの経験と知識を、皆様のお役に立てるよう精一杯発揮し、より円滑な相続の解決と相続・贈与の申告を心掛けております。